平安入門おすすめ作品~『源氏物語』編~
『源氏物語』という作品は、長い。とにかく長い。
しかも、めんどくさい。
とはいえ、とにかく面白い。
ということで、今回は初めての『源氏物語』におススメの作品を何点かご紹介します。
〇小林𠮷宏『大掴源氏物語 まろ、ん?』
最初『あさきゆめみし』じゃないんだ?って思った方もいるかもしれませんね。
あれは後で紹介しますけど、漫画とはいえ意外と長いんですよね。文章量も多いので時間がかかる。
一方で、この作品は全五十四帖を1冊、一帖だいたい8コマでまとめた作品です。
そのくらいなら、のんびり読んでも2時間もあれば読めるんじゃないでしょうか。
気軽に1冊買ってさくっと読めるというのは、『あさきゆめみし』では難しい。
それに、『あさきゆめみし』は解説がほとんどないんですよね。
そのため、予備知識なしで読もうとすると実はちょっとわかりにくい。でも、こっちは学習マンガに近いので解説が多い。
この作品の特徴として、「まろ、ん?」というタイトルから察せるように光源氏(とその子供)が栗の擬人化で描かれています。
それに対し頭中将の家系は豆で描かれており、『源氏物語』でよく問題となる登場人物の見分けが極めて容易。
また、そうなることで登場人物の人間関係もビジュアルでわかるようになっている。
(あのビジュアルで密通とかするのかと思うとなかなか面白いけど)
そういった点で、最初の1冊としては特におススメしやすい作品です。
『あさきゆめみし』を揃えるのはちょっとなっていう方はまずここから読んではどうでしょうか?
私の地元だと図書館に入っているので探せばもしかしたらあるかも。
〇大和和紀『あさきゆめみし』
説明、要ります?
定番の『源氏物語』マンガ。図書館にもあるし、教科書にも載る。
多分『源氏物語』のマンガと聞いて『あさきゆめみし』以外のタイトルが浮かぶ人はごく少数なのではないでしょうか。
その定番化した理由としては、やはり単に面白いというのが大きいのではないかと思います。
学習マンガはわかりやすいのですが、わかりやすいだけでマンガとして面白いかは微妙なところ。
しかし、大和和紀自身が『はいからさんが通る』等で有名な作家なだけあり、マンガとして単体で面白い。
『あさきゆめみし』の特徴として、全五十四帖をほぼ余すところなく漫画化している点があります。
他の作品はダイジェストであったり、一部のマンガ化であるためテキスト代わりにはなりません。
『あさきゆめみし』はほとんどを再現しているため、マンガだけで全体の流れが十分に把握できます。
ただ、『あさきゆめみし』は翻案作品であり、『源氏物語』原文との差異は意外に大きいので、その点は注意。
意外に原文と『あさきゆめみし』では登場人物の印象が全然違うなんてこともあります。
〇砂崎良『マンガでわかる源氏物語』
「まろ、ん?」の強化版みたいな内容のマンガ。
マンガの部分が少ない代わりに、解説がとにかく充実しており勉強になる。
情報量が多すぎるため最初の一冊としては勧めにくいものの、古文の参考書や、『あさきゆめみし』の副読本としてはうってつけ。
マンガとしては癖がなく、ほかのマンガが合わない人でも読みやすいかもしれない。
ある程度年齢や性別に左右される作品が多い中、これなら誰が読んでもそこそこ読めるため、他が合わない人にもおススメ。
〇宝塚歌劇「新源氏物語」
もしかしたら意外かもしれない紹介。
宝塚の「新源氏物語」は有料ではありますがアマゾンで見られますし、2時間程度なので映画1本分程度。
それで『源氏物語』の大まかな流れは把握できるように作られているので、実は入門編としてはぴったり。
『源氏物語』の映像作品はおススメしにくいものが多いので、実は映像で見られて見やすいのは貴重。
しかも、声が聞き取りやすいし、話の流れをかなり丁寧に説明してくんですよねこの劇。
ダイジェストではあるものの、『源氏物語』の難しいところを全部クリアしていってるような気がします。
本を読むのはめんどくさい!という方はとりあえずここから見るのもいいんじゃないでしょうか。
〇現代語訳
まぁ定番と言えば定番。とはいえ、ここに手を付けて挫折した人も多いような気がします。
挫折しそうならまずは『あさきゆめみし』、どうしても現代語訳に挑戦したい人にはもうがんばれ以外言うことはありません。
現代語訳は無数にありますが、その中からおススメのものをいくつか紹介。
与謝野晶子訳:訳に多少の問題はあるものの、癖はなく読みやすい。しかも青空文庫で読める。
谷崎潤一郎訳:良くも悪くも硬め。とはいえ丁寧であり男性の訳のほうが合う人はこれが最適かも。
瀬戸内寂聴訳:一番読みやすいが寂聴っぽさが強い。瀬戸内寂聴は源氏関係とにかく書いているから副読本が豊富。
田辺聖子訳:小説化されているため気軽に読めるが、原文との差が大きい。
とりあえず、この辺からちょっと比べてみて読みやすそうなのを読んでおくのがいいと思います。
困ったら今すぐネットで読める与謝野晶子訳で桐壺でも読んでみましょう。
他におススメがないわけではないですが、簡単に入手出来て読みやすいものを紹介してみました。
最近は外にも出にくくなっており、自宅で過ごす時間も多いかと思います。
持て余す時間で読んでみるのもどうでしょうか?
しかも、めんどくさい。
とはいえ、とにかく面白い。
ということで、今回は初めての『源氏物語』におススメの作品を何点かご紹介します。
〇小林𠮷宏『大掴源氏物語 まろ、ん?』
最初『あさきゆめみし』じゃないんだ?って思った方もいるかもしれませんね。
あれは後で紹介しますけど、漫画とはいえ意外と長いんですよね。文章量も多いので時間がかかる。
一方で、この作品は全五十四帖を1冊、一帖だいたい8コマでまとめた作品です。
そのくらいなら、のんびり読んでも2時間もあれば読めるんじゃないでしょうか。
気軽に1冊買ってさくっと読めるというのは、『あさきゆめみし』では難しい。
それに、『あさきゆめみし』は解説がほとんどないんですよね。
そのため、予備知識なしで読もうとすると実はちょっとわかりにくい。でも、こっちは学習マンガに近いので解説が多い。
この作品の特徴として、「まろ、ん?」というタイトルから察せるように光源氏(とその子供)が栗の擬人化で描かれています。
それに対し頭中将の家系は豆で描かれており、『源氏物語』でよく問題となる登場人物の見分けが極めて容易。
また、そうなることで登場人物の人間関係もビジュアルでわかるようになっている。
(あのビジュアルで密通とかするのかと思うとなかなか面白いけど)
そういった点で、最初の1冊としては特におススメしやすい作品です。
『あさきゆめみし』を揃えるのはちょっとなっていう方はまずここから読んではどうでしょうか?
私の地元だと図書館に入っているので探せばもしかしたらあるかも。
〇大和和紀『あさきゆめみし』
説明、要ります?
定番の『源氏物語』マンガ。図書館にもあるし、教科書にも載る。
多分『源氏物語』のマンガと聞いて『あさきゆめみし』以外のタイトルが浮かぶ人はごく少数なのではないでしょうか。
その定番化した理由としては、やはり単に面白いというのが大きいのではないかと思います。
学習マンガはわかりやすいのですが、わかりやすいだけでマンガとして面白いかは微妙なところ。
しかし、大和和紀自身が『はいからさんが通る』等で有名な作家なだけあり、マンガとして単体で面白い。
『あさきゆめみし』の特徴として、全五十四帖をほぼ余すところなく漫画化している点があります。
他の作品はダイジェストであったり、一部のマンガ化であるためテキスト代わりにはなりません。
『あさきゆめみし』はほとんどを再現しているため、マンガだけで全体の流れが十分に把握できます。
ただ、『あさきゆめみし』は翻案作品であり、『源氏物語』原文との差異は意外に大きいので、その点は注意。
意外に原文と『あさきゆめみし』では登場人物の印象が全然違うなんてこともあります。
〇砂崎良『マンガでわかる源氏物語』
「まろ、ん?」の強化版みたいな内容のマンガ。
マンガの部分が少ない代わりに、解説がとにかく充実しており勉強になる。
情報量が多すぎるため最初の一冊としては勧めにくいものの、古文の参考書や、『あさきゆめみし』の副読本としてはうってつけ。
マンガとしては癖がなく、ほかのマンガが合わない人でも読みやすいかもしれない。
ある程度年齢や性別に左右される作品が多い中、これなら誰が読んでもそこそこ読めるため、他が合わない人にもおススメ。
〇宝塚歌劇「新源氏物語」
もしかしたら意外かもしれない紹介。
宝塚の「新源氏物語」は有料ではありますがアマゾンで見られますし、2時間程度なので映画1本分程度。
それで『源氏物語』の大まかな流れは把握できるように作られているので、実は入門編としてはぴったり。
『源氏物語』の映像作品はおススメしにくいものが多いので、実は映像で見られて見やすいのは貴重。
しかも、声が聞き取りやすいし、話の流れをかなり丁寧に説明してくんですよねこの劇。
ダイジェストではあるものの、『源氏物語』の難しいところを全部クリアしていってるような気がします。
本を読むのはめんどくさい!という方はとりあえずここから見るのもいいんじゃないでしょうか。
〇現代語訳
まぁ定番と言えば定番。とはいえ、ここに手を付けて挫折した人も多いような気がします。
挫折しそうならまずは『あさきゆめみし』、どうしても現代語訳に挑戦したい人にはもうがんばれ以外言うことはありません。
現代語訳は無数にありますが、その中からおススメのものをいくつか紹介。
与謝野晶子訳:訳に多少の問題はあるものの、癖はなく読みやすい。しかも青空文庫で読める。
谷崎潤一郎訳:良くも悪くも硬め。とはいえ丁寧であり男性の訳のほうが合う人はこれが最適かも。
瀬戸内寂聴訳:一番読みやすいが寂聴っぽさが強い。瀬戸内寂聴は源氏関係とにかく書いているから副読本が豊富。
田辺聖子訳:小説化されているため気軽に読めるが、原文との差が大きい。
とりあえず、この辺からちょっと比べてみて読みやすそうなのを読んでおくのがいいと思います。
困ったら今すぐネットで読める与謝野晶子訳で桐壺でも読んでみましょう。
他におススメがないわけではないですが、簡単に入手出来て読みやすいものを紹介してみました。
最近は外にも出にくくなっており、自宅で過ごす時間も多いかと思います。
持て余す時間で読んでみるのもどうでしょうか?
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